今回の《手造り》二回目のパリ・ウォーキングの一日。
まだまだ訪れていない所がたくさんあるパリ。今朝はまずマドレーヌ寺院の前からバスに乗り終点のパンテオンまで行く。
この周辺は小高い丘になっており、パンテオンはその頂上にあたる場所にある。モン・サン・ジュヌヴィェーブ=聖ジュヌヴィエーブの丘と呼ばれる一帯である。
パンテオンは以前何度か来ていたが、そのすぐ後方にあるサン・エティエンヌ・デュ・モンと呼ばれる教会にはまだ行った事がなかった。ここはパリの守護聖女であるジュヌヴィエーブの聖遺物がある。やはり一度はここを見ておかねばと思っていた。
※教会の内部についてはまた別のところにて
教会の横の通り、坂を下っていくと突然この城壁が姿を現した。「ある」とは知っていたが、実際に目にすると嬉しくなってしまう。歴史そのものがそこに出現しているかのようである。
住宅街の中に突然現れた中世の城壁。12世紀末、日本なら平安時代の終わりから鎌倉時代の初めにかけてのもの。パリという町にとって二番目の城壁である。
フィリップ2世はフランス王権がまだまだ弱かった時代、パリの防衛の為に必要としてこれを築かせた。築かせるだけの権力を持った王であり後に「オーギュスト」=尊厳王と呼ばれるようになる。
ルーブルの原型もまたこの城壁と連動する砦であったもの。
八百年前はこの壁の向こう側がパリ城外であったのだが、もう本当にパリの町のど真ん中になってしまっている。