有楽町駅前が再整備されてITOCiAやマルイのビルが登場した。駅前へ行ってみてちゃんと「広場」があり人が集まる為のスペースが考慮された場所になっていて好ましかった。
こういった公共のスペースを出現させる為には、ビルを建てる企業の力だけではだめで、どうしても行政の主導が必要になる。今回の開発では、そういったセンスを持った役人がいたということだろう。あるいは、そういったプランを受け入れる幅の広さを持った役人といってもいい。
有楽町駅前に車の入ってこない広場を出現させるにあたり、これまでの道路が邪魔になったのはまちがいない。この写真のガード下を通っていた道路である。それをどのようなカタチに変えるか、アイデアが求められた筈だ。
結果的に思い切って歩行者だけのスペースにして成功している。このガード下というのは車がそばを通るし薄暗い道だった。それがこんな風に歩いて楽しい道に変えられるとは意外であった。あえてきれいに塗ったり、変な街灯をつけて明るくしなかったのが正解。レトロなガード下の雰囲気をとどめている。
ガード下の高さを示す文字は、もちろん進入する車に注意を促す為のものだが、それもあえてそのまま残してあるのがよい。
少し前には開発する時に外国の美しい町並みを真似しようという動きがあった。ランドマークタワー近くのブラーノ島の町並みを模したエリアが出現したり、汐留のコムーネなんとか・・・。京都加茂川にパリの芸術橋のコピーをかけようという話は実現しなくてほんとによかった。名古屋港にはイタリア街、小樽にはさみしくゴンドラがうかぶ。
もちろん文化というのは相互に影響しあって成長していくものだけれど、日本は別に外国の猿真似をする必要は全くない。
日本には充分な文化の集積があり、高度な美的センスに自信をもって良い。こういったガード下の再利用にも充分そのセンスが現れている。