午前、クライストチャーチから飛行機でオークランドへ移動。おいしい飲茶で昼食の後、午後はヨットに乗る。ホテルへ入り夕食の後スカイタワーから夜景を楽しんだ一日。
きのうの午後の乗馬体験の写真です。
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今回のメンバーが男ばかりで、年齢層も比較的若いと分かった時、NZ「体験ツアー」にするのが一番満足度が高いと思った。
通常の「半日観光」は、男女別や年齢層に関係なく誰でもオールマイティに楽しめる事になっている。しかしそれは誰でも楽しめるのと同じぐらい、誰にもあまり大きな印象を残していないかもしれない。
クライストチャーチは美しい町と花々がすばらしい。庭園の花々はやはり女性に人気、でもたいていの男にはどうなのだろう?
ということで、アクティブにNZを楽しめるメニューを是非追加したいと、出発前から提案していた。
気球、セスナ機、これらは今回難しかったが、かわりにこの乗馬、ジェット・ボート、そしてヨットを体験してもらえたのは幸いである。
特にこの乗馬はおもしろい。
日本のように馬子がついてくれるわけではない。柵で囲われたエリアを一周するのでもない。一般の道へ出て一時間ほど歩く事になる。最初に馬の扱い方をざっとレクチャーしてもらったら、あとは馬と一対一となる。この頭の良い動物との駆け引きが、乗馬の楽しみなのかもしれない。
今回受け入れてくれた牧場にはたくさん日本人の方が働いていて、NZらしからぬ(笑)説明をしてくれた。
乗り方、手綱の持ち方、手綱を引く手順、鐙のかけかた、坂を上るときの姿勢、降りるときの姿勢、などなど。以前ハワイなどで欧米人がしてくれた説明よりずっと詳しく丁寧である。
列を組んで川に沿った道を一時間ほども歩く。一頭一頭にもちろん性格があって、「誰の後ろはいや」とか「だれだれさんと一緒がいい」とか、そういうのがあるそうだ。抜かさないように、あまり離れないようにコントロールする。
春先この時期は道端の草が青々と美しいので、ついつい「道草」を食べようと長い鼻先が脇へそれる。ちょっとでもそれを許してはいけない。断固たる意志でぐいっと手綱を引いて拒否すべし。少し許すと「あ、イイのネ」と理解して、どんどんひどくなっていくそうだ。なんでも始めが肝心である。
馬に乗っている時の姿勢は日常我々があまり体験する事がない。馬の胴体はけっこう太いから足をぐいっと開いて内腿で締め付ける。馬に乗る人は、ここの肉がしっかりダイエットされる事になる。三国志で「脾肉の嘆」というのがあったが「なるほどなぁ」と実感される。
鐙にはあまり深く足をつっこまない。土踏まずまで入れてしまっていると万が一の落馬の際に抜けなくて頭から地面に落ちることになる。走る馬に引きずられてしまう怖れもあるからだ。
馬に乗るとその位置はけっこう高く、歩く人からは見上げる高さ。かつて戦場で騎馬というのが強い兵力であった事もよくわかる。
時代劇などで馬に乗るシーンはよくみかけるけれど、実際に町で馬に出くわす事が少ない都会人にとっては、異文化体験といえるものになる。
そういえば、NZはよく映画のロケ地に選ばれるそうだが、歴史映画などで使う騎馬エキストラが楽に安く集められるのも魅力だと聞いた事がある。
こうやって馬に乗るだけで、バスに乗っているのとは一味も二味も違うNZ理解をしてもらえたのではないかと思う。ツアーの行程をただ無難にこなしているのではもったいないNZの旅、是非、なにかを「体験」する旅にしてみましょう。