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「石の花」坂口尚著読書中
2007-06-27
スロベニア、クロアチアについての資料を渉猟する中で、勧めてもらって読んでいる本。これは漫画である。
「え?漫画」と笑ってはいけない。
今までだって、いろんな国へ行く時の資料集めで、漫画が私の中のその国のイメージを決めた例がけっこうある。
はじめは1989年に当時のソ連に行く時。
当時、社会主義諸国への旅は非常に希だった。ロクな日本語の資料はなく、英語の資料さえもタイシタものでなく、かの国の歴史へのイメージを掴めなくて困っていた。歴史や政治の本だけでなく、美術や果ては料理の本も見て(たいして分からなかったが(笑))、最後に手にしたのが池田理代子さんの画いた「エカテリーナ2世」だった。
あまり期待せずに開いたが、すぐにぶっとんだ。さすが「ベルサイユのバラ」を画いた人である。歴史だけでなく、人物ひととなりについても綿密な調べをして描いているのが良く伝わってくる。
ロシアだけでなく、当時のフランスのルイ15世+ポンパドール夫人、プロイセンのフリードリヒ大王とのかかわり。ややこしい国際情勢を要点をとらえて上手に解説してくれている。結果的にこの漫画の読んではじめて、私のロシアに対するイメージ第一歩が固まったのである。※ピョートル3世のデフォルメされたあまりに頼りにならない風情が記憶に焼きついて現地で戸惑いはしましたが(笑)。
日本の漫画は、その他世界の(といってもよく読んでいるわけではないが)漫画とはレベルが違う。
絵の質、コマ割り、文章構成、そしてなによりもとりあげる主題が充分に文学の域にある。
最近もアラビアのロレンスを取り上げた「T・E・ロレンス」4巻組みをみつけた。少女マンガにありがちな美形ぞろぞろ登場という不自然さはあるにせよ(笑)、内容はよく調べた上にかかれていて、入門書としてはとても役に立った。
さて、今読んでいる「石の花」。
これもかぁなり、突っ込んで調べて書かれているのが分かる。あまりに多くの情報を入れようとしているので、読むこちら側もそれなりに知識を要求されている。で、知らない言葉が出てくるとネット検索しながら読んでおります(笑)。
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