午前中ミラノ観光、午後はベネチアへ。ベネチア本島内サンタ・ルチア駅近くのホテルに入ったのは18時半ごろ。この時期、この時間ではまだまだ昼間の太陽の時間であった。
19時半からホテルで夕食の後、20時半頃から近くを散策。
はじめこのホテルに決まった時に「サン・マルコ広場から遠くて残念」という声をこま通信メンバーからもらっていた。けれど、ベネチアはサン・マルコに近いだけが魅力じゃないんです。
それを認識してもらうに為にも、今回は夕食後の小ウォーキング・ツアーをやらなくちゃ!
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駅から出て左手の方へずっと続いていく商店街をそのまま行き、大きめの運河を渡ったところでちょっと分かりにくい裏道に入るとそこからが旧「ゲットー」である。
緑ミシュランによると、この場所にはかつて鉄の鋳造(イタリア語ベネチア方言で"ジェッターレ"というそうな)をする場所があり、この言葉が英語の“ゲットー”の語源になったとある。またタルムードに出てくる"ghet"(分離)が元という説もある。いずれにしてもここが世に言うユダヤ地区「ゲットー」発祥の地である。
この地区に押し込められたユダヤ人たちは必然的に建物を高く建てざるをえず、ひとつの部屋も小さく区切って住む事になった。この写真のように壁全面が小さな窓で覆われたようにみえるのはそういうわけなのだ。よくみてみると、一部屋を上下に仕切って部屋をもうひとつ造った時の窓がいくつも見える。
ユダヤ人用の食事を出すレストランもある。イスラム教徒と同じく豚肉を食べてはいけないのは知られているが、他にも「うろこのない魚」を食べてはいけない事になっている。つまりエビやタコ、イカそれに牡蠣もダメなのだ。なんだかカワイソウな。日本にユダヤ教徒が多くないのはこれが理由か(笑)。
小さな広場にはここから連れ去られたユダヤ人たちを記憶する為のモニュメントもある。今日も黒い帽子長いもみ上げ、小さなキュッパ帽子をつけた人が集まってきていた。
こうした場所に実際に行って見て感じる事が出来るのが旅の成果である。本で読むだけでは実感できない事が吸収できる場所なのだ。
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サン・マルコ広場の近くのホテルでなくてもいろんな見所のあるベネチアを実感してもらえたでしょか(笑)。