朝、とても良いお天気となっている。ロビーでカルロさんにあったら「まだOK出てないけれど、多分大丈夫。これからマリナ・グランデにいきましょう。」との事。小さなバスに乗って港で少し待つとOKが出た。今回も「青の洞窟」へ無事入れました。
※この時の面白い顛末についても後日またメルマガにまとめたいと思います。
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「青の洞窟」を出て、今回はカプリを一周する事にした。パッケージツアーではこういう贅沢はほとんど出来ない。《手造り》ならではの楽しみである。
島の北西の岬をまわるとオッリコの小さな入り江に出る。「花のカプリ島」という現地でだけ売られている日本語ガイドブックによれば、1808年10月3日、かのナポレオンがここから上陸作戦を決行し、守るイギリス軍守備隊の裏をかいたのだそうだ。
降伏したハドソン・ルーヴ中佐はしかし、後に失脚したナポレオンが幽閉されたセント・ヘレナ島の看守として再会したのだそうだ。人生は変転する。
そんなストーリーを思い出しながら島の南に入っていく。589メートル海からそそり立つソラーロ山の断崖を海から見上げる。たくさんの石灰岩の白い岩肌が迫力を持って迫ってくる。海岸線にもたくさんの洞窟があり、そのいくつかへ船で近づくことが出来る。しかし、「青の洞窟」のようなところは他にはない。
島の南側海水浴場のあるマリナ・ピッコラの前。ドイツ人クルップが造らせたヴィア・クルップがくねくねと海岸線まで降りてきている。もうひとつの山の上には現在はベネズエラ人が所有しているという豪華ヴィラが見える。これを頂点として実にたくさんのヴィラが緑の中に点在しているのが見てとれる。カプリ島は超有名観光地ではあるが、有名人達が安心して過ごせるヨーロッパでも屈指の人気隠れ里なのである。
眼前に海から直立した岩が見えてくる。ファラリオーニとよばれる。これはFARO=が語源になっているといわれ、事実この岩の頂上には古代には船を誘導するための灯りが掲げられていたそうな。
我々の乗った船は中央の大きな岩にどんどん近づいていく。その穴を通ったすぐ後がこの写真だ。
すぐに左を振り返ると、ローマ時代のヴィラの礎石が確認できる。ティベリウスはこの島に、一説には40にのぼるヴィラを建てさせて、季節ごとに快適なところに移動していたのだそうだ。南に面したこちらは、風をさえぎる場所にあたり、冬でも快適だったそうだ。
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約1時間40分のクルーズを終えてちょうどお昼。一度ホテルで休憩した後、アナカプリへ出かけた。さっき海から見上げたソラーロさんへ、ちょっとコワいチェアリフトでのぼっていく。この風景は本当に素晴らしい。
スエーデン人アクセル・ムンテの住んだヴィラ・サン・ミケーレにも入った。ここは日本人にはあまり好評でないそうだが、その歴史をしりたたずまいを味わう気持ちをもって訪れれば、充分に満足できる場所である。特にスフィンクスがテラスから永遠を眺めている風情は味わい深い。