朝6時半、サマータイムなのでまだ暗い時間。クイーンズタウンを出発してミルフォードサウンドのクルーズへ出発する。ミルフォードサウンドはフィヨルドの海岸線がとても美しいが、非常に雨の多い土地である。東京の約5倍の年間降水量。年に二百日は雨が降るのだ。日本出発からずっとこの日を心配していたけれど、4時間をかけていった甲斐のあるお天気であった。
ミルフォード・サウンドは北欧ノルウェーの海岸線とおなじフィヨルドである。「サウンド」とよばれる地形とは違うので本当はミルフォード・フィヨルドと呼ぶべきなのだが、最初にここを訪れた人がフィヨルドを見たことがなかったのかもしれない。
氷河が削ってできた溝が水没して出来た地形なのでたいへん深い。このあたりでも水深三百メートルあるんだそうな。切り立った崖の上には実は湖があるので滝が海に向かって豪快にしぶきをあげている。船がそのすぐ側、水しぶきがかかるところまでいくと日本人も韓国人も大騒ぎでよけている。欧米人はこういう時濡れる事をあまり嫌がらないのだけれど、やはり違うんだなぁ。
タスマン海まで出てから引き返して約1時間半のクルーズ。帰路は飛行機に乗ることをお勧めし、全員乗ることになった。クイーンズタウンまでは直線で帰れば山を越えてたった30分の距離なのだ。山を迂回して4時間以上かけると午後6時を過ぎるところ、3時半にはホテルでシャワーを浴びる事ができた。