ローマの町でこのポスターをみかけて「お?」と思った。なんでもカラバッジョノ新発見作が修復を終えてテルミニ駅内にて特別公開されているのだそうだ。イギリス王室コレクションだが、これまで汚れがひどくて倉庫に放り込まれていて、カラバッジョの真筆とはみなされていなかったという。2000年からの修復を終えてみると本物らしいと判定された。この作品がカラバッジョゆかりの地ローマで公開される時偶然ローマに滞在しているなんて幸運な事だ。行かなくちゃ…とおもっていながら忘れたバカ。
★以下はこのチラシだけから受ける私の個人的印象。的外れかだったらごめんなさい。
場面は漁師だったペテロとその弟のアンドレをキリストが弟子に指名するところだろう。魚を持つ手から職業が分かる。アンデレが自分自身を指差して「私が?」というような表情をしている。これはローマ市内サン・ルイ・フランチェージ教会にある出世作「聖マタイのお召し」との類似を感じさせる。指差す手の表情におなじものが登場している。製作時期は全く知らないけれど、自分の出世作の好評に意を得て、「二匹目のどじょう」を描いたのかもしれない。
ひげのない若いキリストはなんだか違和感を感じないでもない。それと、この顔…カラバッジョ作品の他のものでも見たような気がする。。。確実にモデルがあって描かれたと感じる。
画面全体がどのぐらいの大きさなのか、この小さなチラシからは分からないが、人物に比べて画面が窮屈な気がしなくもない。画面の人々はみな右方向へ誘導されていく、この方向にもまだ別の空間、あるいは人物があったという可能性はないだろうか? 絵が額に合わせて切り取られたり、分割して売り飛ばされたりというのはけっこうあることだったから、そんな事も考えてみる。人々のまわりに深い闇がひろがっているのがカラバッジョ作品の特徴。もっとバックのひろがりがあってもよい。
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「見逃して残念!」と思っていたら、なぁんと!東京にも巡回してくる予定になっているそうです。どこでいつ頃かはまだ発表ないようですが、こんどは絶対見逃さないようにします。