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人に話をきかせるもの
2006-12-06
ホリエモンがニュース番組に出るというので見た。
めまぐるしく変わった彼の生きる環境。
それが彼の話や話し方・人間を変えている部分があるのか?そんな興味があったのである。
「金で買えないものはない」発言は物議をかもした。
そんな人間からカネが去っていったあとに、何が見えてきたかにも興味があった。
結論から言うと、彼は変わっていないと感じた。しかし、その話にはナンのおもしろみも感じられなくなっていた。多くの視聴者もそう思ったのではないかと思う。
話している事柄が同じなのに興味を惹かなくなってしまったとしたら、いったい何がかわってしまったのだろうか?
それは、まさに彼がカネを持っているかどうか、という一点ではないか。彼の話に耳を傾けさせたのは、結局彼の持っているカネでしかなかった。彼の思想や信念ではなかった。そう呼べるものを備えているように幻惑されていた。誰もが。
金がなくなった彼の話には何の魅力もなくなってしまったとしたら、彼の手に入れていたものは、まさにカネで買った名声であったという証拠である。
私も含めた世の中の人々はどうしてもカネに翻弄される。そうでないひとは極めて希だ。だから、大金を稼ぎ出した人に興味がわき「いったいどうしたらそんなに稼げるんだろう?」と話に耳を傾けるようになる。大金を稼いだ人の書いた本だから売れもする。
しかし、いったんそれが大失敗であったことが分かったら…そんな人の言葉はいっきに説得力を欠いてしまう。当然だ。
ここで、「それでは、お前自身はどうだ?」と自問したい。
私が人に話そうとする事柄、書いて伝えようとするもの、そういうものに説得力を与えてくれているのはなんだろう。
私の声に少しでも耳を傾けたいと思ってくれる人があるとしたら、いったい何がその裏付けになっているか?
少なくともそれはカネではない。
だってもってませんから(笑)。
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