「ダ・ヴィンチ・コード」の作者ダン・ブラウンの一つ前の作品となる。「こっちの方が良かった」という感想を周辺から聞いていた。

ベルニーニ大好きの私を、なるほどとても楽しませてくれる作品だった。なんせ、出てくる場所には何度足を運んだか分からないくらいで、ありありと細部が思い出されてくる。これは、この現場へ行った事のない人よりも、だいぶん楽しみが多いなぁ、と実感。

そして、そういった登場現場を楽しむ以上に、中で枢機卿のひとりに語らせている言葉が印象的だった。
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「これだけは信じなくてはなりません。種としての人類が自分達より偉大な力への信頼を放棄する時は、おのれの行為への責任をも放棄するのです。

信仰とは…あらゆる信仰とは、この世には人間の理解を超えた偉大な存在があり、私達はその存在に対して責任をおっているという戒めなのです。信仰を持つ事で、私達は互いに対しても、自分自身に対しても、より高位の真理に対しても責任を負うのです。」
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この言葉はヨハネ・パウロ２世が世界の人々に向かって語りかけていた主張と同じだ。彼は「どの宗教でもよい、あなたの信仰を全うしなさい」と語ることの出来る稀有な法皇だった。