ゲバラはずっと喘息もちだった。生まれた頃から生涯その持病につきあって生きなくてはならなかった。両親も彼の為になんども転居を繰り返している。

しかし、彼はそれを自分の弱点にはしなかった。むしろ自分の忍耐力を鍛えていく方法に、あえて言うなら利用さえしていたのかもしれない。

発作が起きても、簡単に薬を使うことはせず、ぎりぎりの極限まで堪え続ける。もうどうしても命に関わると感じてはじめて薬を受け取る。子供の頃からそうやっていたのだそうだ。

そんな体なら安静に過ごす事を考えるのだろうが、彼の人生はそれとは全く逆に流れていく。ジャングルをさまよいゲリラ戦を指導し、とても喘息持ちのやることとは思えない人生をおくっていく。

発想を逆転すれば、こういうハンデもまた、人を大きく育てる力になる。