朝9時45分にハイデルベルグのツム・リッターを出発し、フランクフルトより帰国便にのった日です。
****
ビュルツブルグの聖キリアン聖堂の司教シェーレンベルグは1495年に95歳の長寿を全うした。35歳のリーメンシュナイダーは、四半世紀もヴィュルツブルグの司教領主であり続けた威厳ある彼の姿を、克明に描写している。
口の周りや首元などの皮膚感。司教冠が重くて首が傾いてしまっている感じ。にもかかわらず強い意志の光がみえる両目。この司教の老齢と、それにもかかわらず威厳のある様がよく現されている。
下部の衣に包まれた足は、右膝のところだけ突き出し、重心が片方にかかっているのが分かる。いわばルネサンス期に主流となるコントラポストのスタイルをとっている。衣のしわによりそれが表現されているのだ。
手袋をした手は、その下の指の節くれだった様までが見えてくるようである。
この墓石は彩色されていたのがよく分かる。これはリーメンシュナイダーの意志によるものかもしれない。色彩が彫りを邪魔していない。