今回、車関係の方々という事で、このミュンヘンではBMWの博物館を見学した。本社に付設された、お椀のような形のものは現在修復中で見られない。仮設のものがオリンピックパークにあるので、そこかと思っていたら、違った。
連れて行かれたのは、車関係のインサイダーの為の展示場。デザインセンターと隣り合わせている建物で、いわばBMWの顔が作り出されていく様な場所にある。
ここにはBMWの歴史が凝縮されていた。
もともと車会社というよりもエンジン会社で、戦前は飛行機のエンジンを造っていたところから話が始まる。20世紀初頭に車を作っていた会社を買収したところから、本格的に車製作に携わってきた。
おもしろかったのは、戦争直後の製品の展示。戦争関連の産業は厳しく統制を受け、BMWも車のエンジンはいっさい作ることができなかった。当然経営危機におちいる。しかし、彼らは車を作る事はやめなかった。
なんと、農家で使うような大きな手押し車を造り、販売し、旧知を乗り切っていこうとしていた。いつかまた、車を作ることが出来る日が来る事を信じて、こんなものまで造って会社を生き残らせてきたのだ。