ランディ田口が初期に書いたエッセイ集の文庫あとがきにあった言葉である。

昨今、世界の中であまりにも巨大な暴力が横行している。それは戦争というだけではなく、もっと自分自身の身近な世界にもあてはまっていると感じるのだ。

我々のような市井に生きる者が、いったい何をすればそんな巨大な暴力に太刀打ちできるのか？

弱者を救う会社でも立ち上げるか？ボランティア活動に身を捧げるか？署名ボートや募金箱をもって交差点の信号で待ち伏せるのか？

いずれもが、何かの役には立つのだろう。
しかし、もっとも効果的で、誰でも出来、かつお金のかからない方法。それが表題のような、もっともシンプルでまっすぐな心を持つという事なのだろう。

何かを非難したり糾弾したりするよりも、足元の小さな喜びに感謝しつづける心。結局はその積み重なりが巨大な暴力を包囲して無力化するのだと信じたい。たとえ自分ひとりといえども前向きにあかるく歩くのだ。