このモニュメントを通して原爆ドームが見えるという風景、実に広島を象徴している。
しかし、このふたつはけっこう距離が離れていて、間には川も流れている。二者は、たとえば当然のように直線に配置されたベルサイユの宮殿と庭の様な関係にはなっていない。
その場所に来るまでは、近くを歩いていても一直線に配置されている予感さえ感じられないという事だ。これは実に意外だった。
逆に言うと、モニュメントとドームを結びつけて、平和公園に一体感のある設計構想をもたらした丹下健三という人の大きな構想力に感嘆した。
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また、この夜景を見ても分かるように、ドームのバックには目障りなビルがいくつか建ってしまっている。
パリのエッフェル塔のバックに、凱旋門のバックに、こんな建物を建てさせる事を、パリ市は許さないだろうに。