今日も終日パリ巡り。
全くパリにはいくらでも見所が出来てくる。
朝、TAXIでサント・シャペルへ。バスでマレ地区に移動しピカソ美術館、。AXIでオルセー美術館へ行き二階のきれいなレストランで簡単な昼食。オルセー見学後、エッフェル塔に登り、歩いてビル・アーケーム橋を渡りパッシー地区の「ワイン博物館」を見学。
パッシー地区はちょっとした丘になっていて、今は高級住宅街である。その丘に横穴が掘られている。昔は修道院があり、実際にワインを造っていた。その時代のワインセラーがこの横穴である。そこが博物館としてオープン。食事も出来る。欧米人の団体はけっこう利用しているようだった。
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ピカソ美術館は世界中にあり、それぞれ生涯のいろいろな時期の所蔵品を所蔵する。ここパリのピカソ美術館の所蔵品の中で、私が最も好きなのが晩年に作られたこの「マントヒヒの親子」という作品である。
顔はミニカー、体は壊れた花瓶、尻尾は靴べら、耳はカップの取っ手だろうか? この時期のピカソは、ゴミ捨て場に通いいろいろなものを拾い集めてきてはそれをコラージュしていたのである。
文句なく面白い!
そう思いません?
キュビズムの平面絵画の時代のピカソは、ややもすると見る人を考え込ませるだけだ。人を楽しませるという美術本来の存在理由から遊離してしまっている様に、私は感じる。
そうした「小難しい」時期を過ぎて、陶芸やこういったオブジェを造り始めてからのピカソが「突き抜けて」いる。
出来そうで誰にも出来ない作品。
「ありもの」を利用した、ピカソでなくては「ありえない」物体。何かを手で作る楽しみが伝わってくる。
この完成作品はブロンズ製。
しかし、ブロンズを流し込む型をとった本体というのが別に存在する。つまりほんとにミニカーや靴べらが実際に組み合わされた実物。
これを私はどこかの展覧会(確かNYCだったような・・・)で見た事がある。実は、そちらの方がもっともっと面白かった。
この手の作品は他にもいろいろある。
だが、果たして原型のオブジェはどのくらい現存するのだろうか?ブロンズになっていなければ、そんな「ゴミのコラージュ」なんか、すぐにばらばらになってしまってもおかしくない代物ですからね。