シャルトルの朝。今日も素晴らしい青空に恵まれた。
まだ、グループもいない大聖堂広場へむかう。きのうフルコースでみたような気がする大聖堂だが、まだ塔には登っていなかった。
ビルも飛行機も無い時代、こういった教会の塔というのは、中世の人々が唯一「神の視覚」を感じられる場所だったのではないだろうか。
向かって左手のゴシックの塔へだけ登ることができる。16世紀に造られたオリジナルだからもちろん階段だけ。のぼりきって見下ろすシャルトルの美しい屋根、路地。
そして、何より印象的なのはすぐ隣にそびえている、鎌倉時代初期に作られたロマネスクの尖塔だった。
驚くべき事に、このロマネスクの尖塔には柱もなければアーチの止め石も存在しない。中は空洞なのである。つまり、石をバランスよく漆喰でとめながら積んでいっただけの代物なのだ。