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ダ・ヴィンチ・コード
2006-08-06
いろんなところから評判を聞くので読んでみた。なかなか面白い「小説」だった。たぶん、日本やアメリカのような遠いところに住んでいる人々に、特にアピールする「小説」なのだと思う。
配置されている歴史的大道具(教会、美術館、などなど)、神秘的伝承のある絵画。ヨーロッパにたくさんあるこれらはやはりエキゾチックな魅力にあふれている。また、いろいろな深読みが出来ることだろう。
これを読んで「へえ、キリストってマグダラのマリアと結婚してて、子供までいたんだって!」「秘密結社がその事実を現代まで隠してるんだ」なんて言ったら苦笑もの。
聖書は確かにたくさん書かれた古代の文書から選び取られたものでしかない。宗教結社も実際に現代にいろいろ存在し続けている。※個人的にはスイスにあるフリーメイスンの集会場を一度だけ見学させてもらった事がある。しかし、それらがすごい歴史的秘密を隠し持っているとはあまり思えない。
どっかで似た読後感があったなぁ、と思い出してみると、グラハム・ハンコックの作品だった。第一作の「神の刻印」※失われたアークの場所を探していく話。これはけっこう信じるに足るものを感じた。しかし、第二作「神々の指紋」はかなり疑問符。
グラハム・ハンコックの「神々の指紋」は、あくまで事実をさぐる提案であるのに対して、「ダ・ヴィンチ・コード」は、実際にある小道具や歴史的推測を上手に利用しているが、あくまで「小説」だという事を忘れてはいけない。
小説なのだから、事実をそのまま書く必要はないし、事実だと誤認する読者がいたら、それはそう考えた方の誤りとなる。
小説は面白い事がいちばん重要。私も8月末に行く時にもういちど登場するパリのいろんな場所を尋ねてみたくなりましたもん!
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