「ワーキング・プワー」この言葉、働いても働いても良い生活を得られる可能性のない仕事をしている事を指すそうな。
じゃあ「添乗員さん」は、まさにそうなんじゃないか。
海外旅行が貴重な一生一度のイベントであった時代に、添乗員というのは、華やかで高収入(現地の御土産物屋からのリベートもあったから)であった。しかし、今はそんな事は望めない時代である。
某大手会社の添乗員募集要項に、下記のような年収についての言及がある。
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1日当りの日当は、9,000円からスタートしています。(チーフ添乗員)単純計算で@9,000円×145日=1,305千円が年収になります。もう、ここでガックリときた方は、添乗員になる夢をあきらめた方が良いと思います。
さらに追い討ちをかければ、添乗中の労働時間は、旅程管理の中で定められているように「8時から20時」のはずですが、例えば7時30分出発の飛行機に乗らなければならないとか、パリでムーラン・ルージュのツアーから帰ってきたら24時を回っていたとか、決められた時間などは無いに等しい状況です。
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これは真実。そして日当はパッケージツーの場合倍になったとしても2万円程度。年収が税込みで260万円だ。受注方のツアーの添乗で一日3万円(ほとんどはありえない額ですが)もらって390万円。
「若い時の経験」としてするには、誰にとっても面白い仕事だろう。しかし、添乗というのは一生の仕事としては成立しがたい職業になっている。冷静に考えれば誰もがわかることだ。
下記に2002年のものではあるが、日本添乗協会がまとめた「添乗員」の待遇の実態がくわしく書かれている。2章の2項「収入の実態」などご覧下さい。
http://www.tcsa.or.jp/about/pdf/enquete2003.pdf私は「添乗」業務をするけれど、自分を「添乗員」とは思わない。