旅に出るのに、じっくり下調べをしてくる人ばかりではない。
忙しい年代の人達が旅に出るときには、往々にして準備は不十分である。 直前まで仕事におわれて、ガイドブックは「買って安心」しただけ。機内で読もうと持ち込んだけれど、離陸とともに寝てしまった。
今回もそういう風に話した方があった。
そして、メテオラがどんな場所か全然知らずにバスに5時間揺られて到着。岩塊の上に作られたこの修道院群を見た時には、心底おどろいたそうである。(写真はそのうちのひとつルサノウの女性修道院)
そりゃそうでしょうとも。
写真で知っていてさえ「こんな場所だったのか!」と驚くのだから、何も予備知識なしの場合、どんな衝撃だったのだろう。
ある種、我々ような者にとっては、たいへんうらやましい文物との出会い。
仕事としていくのだから、始めていく場所でも出来るだけの資料を調べて行く。全然予備知識なしにどこかを訪れる事は、ほとんどないのだ。
しかし、旅の本質的な楽しみというのは、こういう「こんなのぜぇんぜん知らんかった!びっくりしたな、もう」という所にあるんですわ。