午前、デルフィの神域見学。
長らく修復中だった博物館は完全リニューアルしてオープンしていた。
大きさや展示品は変わっていなかったが、展示品への解釈が新しくなったりしているのが面白い。オンファロスと呼ばれる世界の中心をあらわす「へそ石」は、新解釈では高い石柱の上に置かれていたとされている。
こんな解釈はガイドブックには載っていない。だから面白い。すべての遺跡解釈というのは「推測」なのである。何が正しいというのはないのだ。自由に解釈する事は我々にだって許されている。
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何回か言及したかもしれませんが、ここの博物館の白眉はこの「青銅の御者」です。一見無表情な中にもある表情、まつげまである細かい細工、全体のやわらかなフォルム。
ローマの派手な大理石像とは大きく違う洗練が、ギリシャの青銅像にはあるように感じる。
しかし、この御者像は、参道の地下から打ち捨てられたように見つかった。もしかしたらこれは当時たいした作品ではない、とみなされていたものなのかもしれない。
とすると、「たいした作品」というのは、どんなんだったんでしょうか??