表題はワシントンDCの朝鮮戦争記念碑に刻まれていた言葉である。
「自由はタダではない」というのは、「水と安全はダタ」という言葉のある日本から来た我々には、「現実を直視せよ」と言われた如く、重く響く。
イギリスが植民地に課した圧政から自由になる事から始まったアメリカ。これまで二百年間まさに自由と民主主義の為に(という名目で)戦争を起こしてきた。
そこで命を落としてきたアメリカ人の為にある言葉がこれなのだ。
しかし、自由は本当にタダでは手に入らないものなのかもしれない。日本の現在の平和もそうなのだ。
先日「新・日曜美術館」で丹下健三氏の生涯を追っていたが、広島の原爆資料館エリアを設計した彼の言葉として、次のようなものが紹介されていた。
「平和は訪れてくるものではなく、戦いとらねばならないものである。この広島の平和を祈念する為の施設も、与えられた平和を観念的に記念する為のものではなく、平和を作り出すという建設的な意味を持つものでなくてはならない。」
空襲で母を亡くした丹下氏、その世代のひとならば、この意味がよく理解できるのだろう。私も知らぬ間に平和ボケしているひとりなのかもしれない。
「自由はダタでは手に入らない」というアメリカの経験則は、重いが事実なのだろう。