今日、日曜の朝にニューヨークの観光が出来るようにコースを組んだのも《手造り》ならではの内容にしたかったからである。
十年ほど前までは紛れもない「危険地帯」だったハーレムだが、クリントン元大統領が事務所をハーレムに開いた頃から、急速に変化してきている。
125丁目アポロシアター前あたりを歩いている限り、ふつうの町である。ま、もちろん黒人が多いのはもちろんだけれど。
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この教会はちょっと変わっていて、元は劇場だった。入るとまさにそういったつくりになっている。今日はけっこう大きなミサの日にあたっていて、観光客は二階へ誘導された。
ほどなくドラムがリズムを刻み始め、4人のおばさんたちが楽〜な雰囲気で歌い始める。編成は他にキーボード二台にギター。ベース音はキーボードで出している。
呼び込みの為の曲が終わると、主役のクワイヤーが大編成で入場してきた。総勢で三十人ぐらいはいるだろうか。彼らが体を揺らし、手を叩きながら声を出し始めると、いっきに迫力が増した。
客席というか、信者さんの皆々様もおとなしくなどしていない。立ち上がって手を上げて揺らめく奴とか、うろうろ歩いて合いの手シャウトする奴とか。
特にバンドの後ろで終始タンバリンを振っている帽子のおばさんはのりのりであった。
手に手をとって神に祈りを捧げるあたりからは、陶酔状態。He would do ,What he said.歌詞は分かりやすい言葉の繰り返し。
クリスチャンでもない私だが、おもわず神様のご加護を祈ってしまいそうになる。音楽は宗教的陶酔に絶大な効果があると実感。
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午後からはブロンクス地区にある広大な墓地へも行った。ロックフェラーのもとで研究をしていた野口英世の墓があるときいたからだ。
こんなところまで来る日本人客は希で、ガイド謙運転手で着ていただいた方も探し探し行って、ついに見つけてくださった。
彼はご存知のようにアフリカで伝染病の研究をしている時、自らも感染して死亡した。遺体はロックフェラーが飛行機をチャーターしてニューヨークに移送したということだ。さすがですね。
ハミルトン初代国務長官の家、ワシントンが住んだ高台の家、ニューヨーク大学、ヤンキースタジアム、メトロポリタン美術館別館ザ・クロイスター、などなど本日はなかなかいけないところへたくさん行きました。