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吾妻光良とスインギン・バッパーズLIVE
2006-03-11
日本のブルースギタリストのなかで、いちばん好きかもしれない。

フルバンドでブルースを、主に日本語で歌う。
ブルースというと「黒人音楽で日本人がどうやっても本物にはかなわんものだ」と思う人もあるだろう。

そういう考えは、確かにひとつの真実としてあるのかもしれない。そうだとしても、アメリカの黒人の日々のつぶやきから愚痴やつぶやきから生まれてきたようなブルースなのだから、日本人には日本語で歌う「日本のブルース」というやつが、演歌じゃないかたちであってもいいのじゃないだろうか。

きっと多くの日本人ブルースマンが心でそう思っているけれど、実際に日本語でブルースを歌える人というのは、多くはない。
吾妻さんはそんな中で稀有な存在である。

オリジナル曲の題名を列記するだけでも、そのユニークさがわかるだろう。

誰がマンボに「ウっ!!」をつけた
物件に出物なし
かみさん不細工な方がいい
ITブギ
あのこの家は千葉よりむこう
歳には勝てないぜ

いけてますなぁ〜。
実際演奏というのが、この題名から想像されるか、それ以上に爆笑をさそうものなんですわ。演奏は世界レベルにすごくすごくうまいというものではないけれど、間違いなく充分にスイングしている。
そして、吾妻さんのギターというのは、きゅい〜ん!とその一音が鳴るだけで、「かっこえ〜」と思わせてくれる。彼の世界にはめてくれる。音楽は上手かったらええんとちがいますなぁ、要は伝わるように、でけてるか?ということでっしゃろ。(なんか語調が…笑)

**
今日3月11日モーションブルーヨコハマのセカンドステージは21時半から始まり、吾妻氏はギターと水割りを持っての登場であった。「ファーストのあと楽屋で飲むしかする事なくってね」
なんて言うそばからまた飲んでおりました。

案の定、時間が経つと、そのドラネコみたない声に拍車がかかって、「(血圧)150−300」という曲では、もう高音かすれて出てこない!

モーションブルーヨコハマはPAがしっかりしていて、そこんところもしっかりサポートしている。かすれているのも、それなりに声を届けてくれて、聞かせてくれていた。

そういった声を含めて、吾妻さんでなければ出てこない雰囲気とスイング、それに唯一無二のボーカル。抱腹絶倒楽しませてくれる。LIVEの音楽ってのは、CDと違い、結局人間そのものを聞かせるというわけだ。

「音楽は国境を越える」とはよく言われますが、歌詞が理解できるかどうかは、理解の為にとても大きな要素であります。



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