今回モナコのモンテカルロのカジノの真横にあるパリホテルに泊まった。ここは本当の意味での一流ホテルであった。
五つ★のホテルはどこにもたくさんある。
豪華な内装のホテルもたくさんある。しかし、本当の一流ホテルと呼べるものはいったいどれだけあるのだろうか?または、どういった事を基準に、本当の一流ホテルとみなしてよいのだろうか?
豪華な内装は、とてもカメラを出して撮影するのもはばかられる雰囲気をもっている。実際有名人や経済政治界のお歴歴も出入りするからか、人の居る時にカメラを出して撮影していると、やんわり制止される事になる。
これは一流ホテルの証?
ロビーにはミシュランの三つ★を獲得した「ルイ15世」レストランがある。だから一流ホテル?
いやいや、このホテルが本当の意味で一流であると感じさせたのは、一室のテレビが壊れているのが分かり、そのメンテナンスを電話でたのんだ時だった。
「はい、すぐ人を送ります」とレセプションが答えても、外国のホテルでこんなケースをすぐに解決してくれる事は少ない(そう、そういうものなのです)。人がやってくるまでに20分や30分かかる事も珍しくない。いや、結局やってこないことだってよくあるのだ。
しかし、パリホテルは違った。
5分も経ずにメンテナンスの専門と思しきカッコウのスタッフがにこやかにドアをノックした。
コンピューターと一緒になったテレビをしばらく操作してから、英語で我々に少し説明までした。
「へぇ、このメンテナンススタッフも英語が出来るんだ」
そして、直してからも、わざわざ日本語のチャンネルに合わせて、チャンネル番号を英語で伝えてから、にこやかに去って行ったのだった。
もうひとつ、出発の朝の事。
お恥ずかしい事なのだけれど、私自身が部屋のクローゼットにネクタイを一本残して部屋をでてしまった。
ロビーにて清算し、バスに積む荷物をチェックしようとラゲージ室に行くと、なんと、私のラゲージの上に忘れていったネクタイが置かれているではないか!すごい。わずか20分の事である。
このホテルのポーターはただ荷物をひっぱるだけの人ではなかった。客室に忘れ物がないかも、すぐにチェックしていたのである。
豪華な内装や★付きレストランではなく、こういった一見しただけでは見えない優れたサービスの充実こそが、本当の一流ホテルの証であると実感した次第である。
※そうかんがえると、日本のビジネスホテルクラスでも、一流のサービスをしている所はけっこうあるのかもしれません。やはり日本はサービス大国です。