今日はプラド美術館でガイディングが受けられない日曜日。
いつもは横目で見ながら通り過ぎてしまい、ゆっくり見られない作品を見て歩いていたら、こんなムリーリョの作品に出会った。
「う〜ん、これってとてもムリーリョらしくない。まるでカラバッジョであるわい。」と思った。
でも、ムリーリョはイタリアへなど行ってはないし、カラバッジョだってスペインに来ていない。この二人をつなぐ何かがあったのだろうか?
と話すと、ローカルガイドのラケルさんが、「多分ムリーリョはカラバッジョの作品の事もホセ・デ・リベラを通じて知っていたんでしょう」と言った。
彼女に連れて行かれたホセ・デ・リベラの作品のある部屋には、確かにカラバッジョに影響を受けたと思われる明暗法を用いた作品がならんでいる。
スペイン人ながら26歳で当時スペイン領だったナポリに渡り、そこで没したリベラ。彼が本国に送ったカラバッジョ風の作品を、ムリーリョは見たのだろうか。
でも、リベラよりもムリーリョの作品の方がよりカラバッジョ風なのは不思議である。これが作家の力量というものかな、と言う感想ではリベラに気の毒でしょうか(笑)。