タンペレの町とムーミンの作者のゆかりが深いというわけではない。
作者のトーベ・ヤンソンが寄贈先を探している時に、タンペレ市が名乗りを上げて、図書館の地上階部分に施設を作ったという事である。
入り口はとても分かりにくい。というか、知っていなくてはすぐには見つけられないだろう。入り口にあるこのムーミンの銅像も小さいし全然目立たない。
内部にはオリジナルのムーミンの原画や、トーベが同居していた女性彫刻家の造った物語の世界が展開されている。
日本には私の子供の頃、日曜日の「子供劇場」シリーズで出てて有名になった。このアニメがなくては、今の世界でのムーミン人気はなかっただろうと思うけれど、作者自身はアニメのムーミンを当初「自分のムーミンではない」と感じていた。
私も、原画を事前に見ていた時には、「トーベがそう感じるのも無理ないなぁ」と思っていた。
しかし、この博物館に展示してある物語からとられたフィギィアは、けっこう日本のアニメのものに似ていた。つまり、日本のアニメは「絵」よりも、この「フィギア」を元に造られていったのではないだろうか。
そう考えると、アニメのムーミンも原作のムーミンも同じものだと、自分の中で捉えられるようになってきた。これが、今回ここへ足を運んだ最大の収穫である。自分で来なくては分からない事である。