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北極圏の夕方のような朝焼け
2005-12-26
サーリセルカ滞在。

冬至をすぎてまだ数日のこの頃、北極圏では地平線に太陽が到達しない。ということは、一日中真っ暗か?いやいや、太陽はたとえ地平線に顔を出さなくても、その光を届けてくれるのです。

サーリセルカでは、天気がよければ朝9時ごろには世界が蒼く青く変わっていき、正午頃には一番明るくなる。肉眼では昼間と同じとなるが、不思議なことにカメラで撮ると夕方のように写る。要するにその程度の光でしかないのだろう。午後3時ごろにはもう暗くなっていく。

最も明るい時には地平線の上の雲が赤く染まって、朝焼けとも夕焼けとも言える風景を見せてくれる。
★写真は部屋の窓から見たその景色。

**
今日はゆっくり時間があると予想がついていたので、最近送っていただいた本を日本から持ってきてゆっくり読む事が出来た。
立花隆と写真家の須田慎太郎が競作した「エーゲ、永遠回帰の海」。全編カラー写真で構成されている贅沢な本である。

ビザンチン時代の修道院が今も生きているアトス山、廃墟と化した古代の大都市エフェソス。数多くの民族の興亡を刻んできた明るい地中海の光あふれる写真、写真。

そして…
窓外に目を移すと、北極圏の雪に埋もれた針葉樹の林が薄暗い光に沈んでいる。この両方ともが地球であり、人の営みがある。
人間はどんなところでも生きていける。



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