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ナンシー派美術館
2005-12-16
朝、ナンシーの駅から特急列車でパリへ向かった日。
でも、きのう午後訪れたナンシー派美術館について少し。

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ナンシーはロレーヌ地方の中心都市である。
1870年にフランスがプロイセンに敗れ、アルザスがドイツに併合されると、たくさんのフランス人がこの町に逃れてきた。

いっきに人口を増やし、鉄などの地下資源にも恵まれたこの町は、繁栄する。エッフェル塔の鉄を作っていたのはナンシーだったのだ。

こういった鉄をはじめとするもの造りの拠点としての町から、新しい造形運動が始まる。アール・ヌーボーである。

ガレをはじめとするデザイナー兼経営者はこの町の財産家の為に数々の作品を残している。このナンシー派美術館も、そういった私邸のひとつを改装したものである。

私が中でも見たかったのは、ロレーヌの十字架を刻んである机だった。日本にも昨年来ていて、その解説を「日曜美術館」でとりあげたのが印象に残っていたから。

ロレーヌの十字架はフランスのレジスタンスのシンボルになっているものである。ガレはただのロマンチックな作家というわけではなく、非常な愛国者だったのである。



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