この名前を聞いて、どういう人か分かる人はけっこうトルコに詳しい人だろう。
私がこの名を始めて聞いたのは、ギリシャのテッサリア地方に残る古いモスクの建築者としてであった。その町のローカルガイドが「たいへん優秀な建築家だ」と評価し、イスタンブールにあるスレイマン大帝のモスクの建築者だと教えてくれた。
そうか、宿敵ギリシャ人も評価するような人なのか、と思ってメモしておいた。
その後、シナンの逸話をトルコのガイドさんにいろいろ聞き、彼の名前が現在のイスタンブールの工業大学の名前になっている事も知った。地元では有名な歴史的人物なのだ。墓はスレイマン大帝のすぐ近くにあるという。それじゃ、行ってみなくちゃね。
スレイマニエモスクはイスタンブールの小高い場所に建つ、たいへん目立つ建築だ。しかし、日本のツアーはほとんど全く行程に入っていない。私も自由時間のあるツアーの時に、自分の足で歩いて登っていくしかなかった。
じっくりとモスクを見学し、感慨も深く有意義な訪問だった。
※写真はスレイマニエモスク内部にて、です。
こういう風にシナンに興味を持っていたので、夢枕獏さんがシナンについての分厚い二冊組の本を出されたのにはたいへん驚いた。こんな本が売れるのか?とも思った。
さらに今年NHKの「知るを楽しむ」という番組で、同じく夢枕獏氏が「奇想家列伝」に彼を取り上げてた。
ううん、日本でもだんだんこういう趣味趣向が面白がられる時代になってきたのですね。嬉しい事です。
それじゃ、「ミマル・シナンの建築を巡る」なんて旅を企画したら人が集まるようになるのでしょうか?まだまだ、先かな(笑)。
でも、やってみたいです。