パリの北にあるサン・ドニ地区はまさに、今回の一連のニュースで暴動が起きたと言われている、移民の多い「郊外」地区にあたる。

天気のよい平日の昼間。パリから地下鉄で30分。
フランス王代々の墓のあるサン･ドニ大聖堂を見学しに来た。聖堂を出て、ランチの場所を物色して大通りを歩きだした。

青空に映える大聖堂は美しく、写真を撮ろうとカメラをかざした。その時、後から風のように走ってきた黒い男がそのカメラを、追い越しざまに、まさに鷲掴みにした。

「あ！」と思う間もなくカメラは我が手から離れた。が、次の瞬間手首に巻いてあった紐でカメラがひっかかり、鷲掴みにした男の手からも離れて路上に落ちた。

黒い男はそのまま立ち止まりもせずに風のように走って行く。
まさにあっという間の出来事だった。

この個人的な体験から、私が移民にたいして偏見を持たないですめばよいと思う。