夜10時半過ぎ。ゆっくりたっぷりの夕食後、カンポ広場にでる。少し冷たいが気持ちのいい風が吹いている中世の広場。まだひとがたくさん集っていた。
車などは一台も入ってこない(構造上入ってこれない?)。市庁舎であるプブリコ宮殿にむかって緩やかに傾斜しているレンガ敷きの地面は、寝転がるのに全然違和感がない。
視界には真っ暗な夜空とそこに光る星。その視界を縁取るように中世の建物がみえている。ちょうど視界の端ぴったりになるのは、偶然なのだろうがよくできている。
イタリアには大小さまざまなな町にさまざまな美しい広場がある。皆それぞれに魅力があるけれど、「シエナのカンポ広場は、確かに世界で最も美しい広場かもしれない。」ほんとうにそう感じた。季節も時間もタイミングもすべてがうまくかみ合った夜であった。