勧めていただいて、表題の本を読んだ。
ケニーゼ・ムラト著 白須英子訳 清流出版
主人公はトルコのスルタンの孫娘。
書いたのはそのまた娘、つまりスルタンムラト5世のひ孫にあたるひとである。
舞台は20世紀初頭、まさにオスマントルコが崩壊し、アタチュルクが指導する共和国トルコが成立していく時代である。
崩壊した体制の側にいた人人。
消えていく階級に属する家族の一員。
彼女はイスタンブールで生まれ、ベイルートで10代をすごし、インドのラージャ(小領主)に嫁す。
インドもまたガンジーという希代の人物がいた時代。
不穏な空気の中、出産の為にパリへ向かう。
ヒトラーに占領されていたパリで最期をむかえる。
なんというい偶然か、私はこのライフ・ストーリーをイスタンブールから読み始め、ちょうどパリに滞在していた時に読み終わった。
いったいパリのどのイスラム教徒の墓地に彼女の墓があるのだろうか。。いつか訪ねてみることができるだろうか。