ニース観光で行くサレヤ広場では、いつも野菜や果物が豊富に売られている。
「さすがに南仏、なんでも豊富ねぇ」
我々は産地の札を読めないものだから、すべてが近くの農場から直送されてきているような印象になってしまう。
しかし、実は同じ野菜・果物でも、いろいろな国から運ばれてきているのだ。アメリカ産グレープフルーツまでキロ2.4ユーロ(約335円)で売られている。
そして値段も原産地に応じてしっかり区別されている。
いや、ありていに言えば、地元産のもののほうが圧倒的に高いのである。
たとえばこの写真の苺は、カロスというニース近郊の村で収穫された正真正銘地元品。500グラムで3・2ユーロ(約450円)である。
すぐ隣の同じ店で、スペイン産のものもこの半分ぐらいの価格で売られていた。大きさが少し大きい程度の差で見た目に沿う大きな違いはない。
「こんなんで商売になるのかな?」
しかし、見ているとカロス産の苺もちゃんと売れているようである。
そうか、消費者の意識も同じだけ高いという事なのだろう。
日本の農業が生き延びるために最も必要なのは、援助金補助金ではなく、きっとこういう消費者の高い意識ではないだろうか。