その名のとおり国父=アタ・チュルク。
彼の廟は、アンカラ市内を見渡す丘の上にある。(元はフリギア時代の古墳も見つかった場所)
古代の元祖マウソレウムを模して建てられたという神殿風の建物の奥に、彼の石棺は安置されている。
トルコ中から小学生や中学生がここへやってくる。
今日もまたにぎやかな一団が先生に率いられて入ってきた。
外で会うと、我々外国人に「ハロー!はろー!」と大はしゃぎの彼らだけれど、廟の中へ入ってくると、少し神妙な顔つきにかわった。先生が十人ぐらいづつ棺の前に並ばせて、深々と礼をした。
トルコという国や民族に対する気持ちがジンと伝わってくる瞬間。
彼の存在なくしては今のトルコは存在していなかっただろうという確信、絶対的信頼。自信。誇り。
一人の人が「日本人はどうしてこんな風になれないのかしらねぇ」
と、涙ぐんだ。