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東京都庭園美術館内部
2005-03-26
目黒の庭園美術館は、都内の美術館では東京駅のステーションギャラリーとならぶ個性的な展示空間であると思う。今までここで行われた展覧会にはけっこう足を運んできた。最近では写真家の田原氏のもの、数年前のカラバッジョ展などが印象深い。
今日はふとしたご縁で、この旧宮家の洋館を説明していただける会に参加する事が出来た。
**
朝10時の開館から入り、12時ごろまで。
展示は日本のジュエリーであったので、絵画展示より建物自体が良く見られて幸いであった。
今まで何回も見ていた部屋であったが、ちゃんと解説してもらって始めて理解できる事ばかり。
まず、アンリ・ラパンという設計者自身が手がけた部分は、実質的に七部屋に過ぎないという事を知った。残りの部分は、皇室関係の建物を手がけていた匠梁という部署が手がけていた。
つまり、大枠は日本の宮内庁が造り、その中にフランス人建築家の空間を飲み込んでいるわけだ。
いろいろな解説書では「大変貴重ですばらしい洋館」とばかり賞賛してあるが、自分自身はどうしても納得できないバランスの悪い外観だと感じていた。こういった感想は、あながち間違いではなかったのである。
やっぱり自分の感覚を最優先にしなくちゃ。
どうしても「けなす」ことが的外れになると、恥ずかしいですし、文字になる解説はほめてばかりですからね。
本場フランスからの指示にしたがって造られた七部屋の他は、日本人がデザインした。建物内部に飲み込んだ本場の内装にあわせて、他の部屋や部分もデザインしてある。いわば、本場ものと日本サイドの真似っこの力比べである
部屋内部の柱頭部分の処理や全体の線などなど、
素人目にもその差はすぐに合点がいく。
しかし、一方で多くの材料は日本で調達され、日本の匠たちの手によって造られている。これは日本の職人技が充分に世界レベルにあったという事で、誇ってよいと思う。
実際に日本にやってきた西欧人の建築家は、だんだんと日本建築のすばらしさに感化されていった程なのである。
これらの対比が大変面白く感じられた見学であった。
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