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国立博物館の平櫛田中
2005-02-26
「サテュロス」が一点展示だったので、いつもは見る時間のない常設展示まで見ることができた。
企画展の「唐招提寺」の方はすごい人出なのにくらべ、ほとんどがらがらな常設ブース。しかし、(当然ながら)展示品は逸品ぞろいである。
横山大観の「日蓮」、下村観山の「弱法師」など、見たことあるなぁ、と思い出させる作品がたくさんあった。これらは、入れ替え展示してるのでしょうか?今日見られてよかった。
中でも私の目を引きつけたのは、平櫛田中の「烏有先生像(1919)」であった。
平櫛田中の名前はずっとおぼえている。
新聞の死亡記事かなにか、読んだ気がする。しかし、彼がなくなったのは1979年ということだから、私はまだ京都の浪人生時代。。。ちょっと早いかな。。。いずれにしても、国内添乗時代に、島根の足立美術館で作品のすばらしさを認識した。
九十歳になってから、あと二十年分の木材を買い込んだ。
「六十、七十、洟垂れ小僧。九十になってお迎えがきたら、百まで待てと追い返す」(細部の数字はうろおぼえです)と言ったという。
この逸話と作品の力強さは符合する。
後にドイツでリーメンシュナイダーの木彫に出会い、リーメンシュナイダーをめぐる一日観光まで作ったぐらい気に入るのだけれど、そこへ到る道は、すでにこのとき用意されていたのだろう。
今日の「烏有先生像」を見て、はじめは「日本・中国的でいいなぁ。決してサテュロスに負けていない」と思った。けれど、それはあまり適切な感覚ではなかったのではないか、と今になって思う。
「サテュロス」も、「烏有先生」も、「リーメンシュナイダの聖血祭壇(ローテンブルグにあります)」も、時代や空間を超えた完成度に達している。
***
本日立会川の会議室にて、急遽企画した「インド、ゴールデントライアングル8日」の写真会。
同じ所へ行ってきたのに、それぞれの写真を見てみると、見ているものが違っているのに気が付く。
「え〜、こんな花咲いてたっけ?」
そういう事を言い合えるのは、留守番の家族とじゃなくて、旅仲間とだけなのですよね♪
こうやってながく《手づくり》をやっていると、私とだけではなく、それぞれのメンバー間にあたらしい繋がりが増えていく。それがよりいっそう旅を楽しくしてくれるのだ。
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