本というのは、すぐに役にたつ時ばかりではない。

かつて、「グレート・アーティスト」という美術シリーズが一冊500円で毎週売り出されていた。一回目のピカソからはじまり、毎号いろいろな絵描きの生涯と代表作を取り上げ、100冊以上はあったと思う。

私はその頃、それほど気にもとめず、気にいった絵描きの回だけそれを買っていたのだった。

フランス革命期の画家ダビッドは、当時そんなに興味があったわけではない。しかし、何気なくダビッドの本は買ってあったのだ。

先月ルーブルでやっていた「ナポレオンの戴冠」200周年の展示を見てから、急にダビッドに興味が湧き、改めて調べようと思って本棚をめくっていたら、その本が出てきた。
買ってはおくものである。