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企画書の運命
2004-10-18
文部科学省が、来年秋の「海外教員派遣」についての、新たな企画を募集している。

毎年、同行していた文部省の推進するこの研修旅行だが、今大きな曲がり角の来ているように思う。

昭和40年代に田中角栄氏が「日本の将来をになう子供達の為に、現場の教員に広く海外を見てきてもらう」という趣旨ではじめたこの派遣事業。

当時は、海外で学校を見てくれば、それだけで貴重な経験になったであろう。だが、今は、外国へ行く事自体の価値は、以前のようなものではない。

西欧に行ってお話を拝聴して「ほほう」と感心して帰ってくる海外研修は、もう充分だろう。
これからの派遣事業は、自分達が行って現地で何をできるのか、をもっと熟考してから行くべきだと思う。日本という国が、つまりは自分という日本人が、どこで役にたつ事ができるのか、真剣に考えてみるのは意味がある。


私は、それを実現するひとつの方法として、カンボジアに学校を建てるNPO団体の協力をお願いする方法を提案してみたいと思っている。

今日、六本木にあるそのNPOの事務所を訪問してきた。
そこは、六本木駅から徒歩すぐの所にある、廃校になった元の学校を利用した建物にある。スーツ姿で行った私が、なんだか浮いてしまうような、とても「地に足のついた」空間だった。

私もまた「旅行の現場」というフィールド・ワークでここまで生きてきた人間なので、その「地に足のついた」活動をしている雰囲気は、とても好ましいものだった。

むしろ、大企業や役所の書類の上での仕事は、とても実感が乏しい。
つまり、旅行の仕事をしていても、実際に旅行に行かない人びとは、突き詰めてみれば、ただの書類上での仕事をしているに過ぎないのだ、ということ。

厳しいようだが、現場を知らなければ、話は空虚にならざるを得ないだろう。

今日は、1時間ほどお話して、活動の雰囲気がもう少しつかめたと思った。すぐに、具体的な派遣スケジュールを書いてみる。心配になるのは、果してこういう企画書が、お役所に受け入れられるのだろうか?という事。

私が書く企画書が、提出された先で、役所のルーティンワークを破る意識の高い「誰か」に読んでもらえる事を祈っている。
**
この後見ていたテレビで、コーラスグループの最高峰マンハッタン・トランスファーがテレビに出ていて、好きな英語の慣用句として、こんな言葉をあげていた。

Thinking outside the box.

「既成のハコの外で考えろ」ってところかな。

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