1222年創立のパドバ大学は、イタリアでもボローニャ大学についで古い大学である。ここには1594年に作られた解剖学教室がある。
今まで何度も何度もパドバへ行ったが、通常のツアーでは時間が無くて見られなかった。今回やっと実現した、念願の見学である。
教室はすり鉢上に楕円形の手すりが何重にも造られている。
ひそかに撮影したのは、その底の部分、人体が横たえられる部分からの映像である。だいぶぶれっちゃってますが、これしか撮れませんでした。
**
「人体」という、最も身近で、最も不可思議なもの。
これに対する人間の探究心というのは、止められない。医学的見地を得れば尚の事、それを知るために、実際に切って見るというのは、必要な事であろう。
しかし、あの時代教会の力は強く、年間男女一体づつの解剖だけしか認められていなかった。そんなもので人間の知的欲求は止められない。
結果、そのほかにもたくさんの闇解剖が行なわれた。
解剖学教室の床下は、川につながっていて、墓場から掘り起こされた死体がひそかに搬入され、解剖後はそこから河に流されたそうである。