北オセチアのテロリスト学校占拠事件、あまりに辛い結末。

今のロシアを代表する指揮者ゲルギエフは、このオセチア共和国の出身である。1999年に結婚した27歳年下の若い妻もまた、この地方の出身であった。

北オセチアは、ソビエト時代に住民強制移動があったチェチェンの領土を併合してきた歴史がある。それが今回オセチアがテロの舞台となった背景である。

ゲルギエフは「コーカサスに平和を」という音楽祭を主催している。
世界的な指揮者になった今も、人口わずか70万人ほどの北オセチア共和国に、毎年音楽の種を撒きに帰っているのだ。それが、百年以上にわたり、民族紛争の火の消えないこの地方の『未来』の為になると、彼が信じているからだと思う。

今回の事件について、ゲルギエフが何かを発言したような事は聞えてこない。起こってしまった悲劇に対して、ことさら発言する意味もないのかもしれない。

「私の音楽は何かを変えることができるのか？」
そんな風に考えているかもしれないと思う。