夕方、図書館へ行って書架を見ていると、読みたくなる本がいろいろと目についてくる。手にとって次の瞬間に考えるのは、「今この本を読むよりも、もっと役に立つ本があるんじゃないの？」という事だ。

こういった何かの役に立てようと思ってする読書というのは、長期的にはそこの浅い読書になると思う。せっかく読んでも、内容のうち、自分が利用できそうなところばかりを追いかけているからだ。

本当に心の奥のところに溜まっていく読書というのは、そんな役に立てたいと思ってするものではないと思う。いわば「読書の為の読書」が、ほんらいの読書。言い換えると「読みたいから読む」に尽きる。

しかし、仕事に追われるこの世代にあっては、ついつい役に立つ読書ばかりを追いかけてしまうのが悲しい。