イタリア料理の有名店「サバティーニ」はフィレンツェの本店へは何度も行ったことがある。名前が知れ渡っているからツアーの中に組み込まれている事がけっこうあるのだ。
店内は老舗の雰囲気だが、日本とアメリカの団体客ももちろん多い。そこで出される料理は、いかにも昔からの「トスカーナ料理」というもの。予想の範囲を出ることは、ほぼ、ない。
日本にも支店のある「サバティーニ」。今まで行こうとは思わなかったが、「(意外に)美味しいんだよ」というお勧めがあって、東京駅大丸12階の店に行った。お勧めしていただいた方によると、日本の中の支店でも全然違うとのこと。
デパートの食堂街にあるということからか、思いのほかカジュアルな雰囲気。フィレンツェの店のように「老舗でございます」という雰囲気は全く感じさせない。知らないで街のパスタ屋さんと思って入っちゃう人もいるかもしれない。これは、良い点なのであります。
レストランの雰囲気は大切だが、それはそこに行く人を緊張させようとするものであってはいけない。料理はその場の空気が大切ではあるが、場所を食べるわけではないのだから。
出された料理は、こちらも「老舗でございます」という雰囲気はなく、ふつうに「あ、これもおいしいね」と素直に感想を言えるタイプのものでありました。
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写真のワインはピエモンテのドルチェット。名前とは違って甘めではない赤になる。ピエモンテ州ではバローロに代表されるネッビオーロ種が有名だけれど、ドルチェット種も一度ためしてみたかった。いや、そんなに飲めるわけではないのだけれど、少量だからこそ充実した味わいがほしいのであります。