森の中のこんなホテルで目覚めた。
きのう17時過ぎに到着した時には、冬時間ゆえもう暗くてよくわからなかったが、よく手入れされた森だ。LA BUTTE AUX BOIS、「森の中の丘」というような名前を持つホテルである。
日本のガイドブックに載るようなホテルではない。載せる意味もあまりないかもしれない。ほんとうの意味でこのホテルを使いこなすには、もっとゆっくりと日中の時間を過ごさなくてはならない。天気が良ければ森を歩いたり、ボートで池にこぎだしたり。雨なら雨でゆっくりサロンで本を読んでチェスでもする。そんなスタイルの旅が似合う場所である。
あるいは、エグゼクティブのビジネスセッション。実際今回も朝からプロジェクターを使ったミィーティングをしながらのパワー・ブレックファーストが行われていた。夜は夜で23時をすぎてもまだミィーティングルームで会食が続けられていた。世界から集まってきた外国のVIPに「へえ、こんな場所があったのか」といわせる為に利用する、か。
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そんな、あまり馴染みのあるような場所ではないのだが、昨夜の夕食は楽しく過ごせた。
いきなりダイニングで座ってしまわない。「まずはラウンジでアペリティフでも?」と水をむけて下さるところなどがよく出来たおもてなし。みなさんちょっとお洒落しているのだから、ただ座って食事するだけよりは、スタンディングで自由に相手を変えてお話する場があるのがよい。テーブルについてしまうとどうしても、その時間は近くの相手としか話さないことになってしまうから。ディナーの目的というのは、ただ食べるという事ではないのである。
30分ほどしてからちょうど気兼ねない程度の広さの個室へ通される。当然ワイン。ビールの国ではあるが、やっぱりここはワイン。それほどセレクトにこだわる人もなかったので、すなおにホテルのハウスワインで。
メニューを解説しきる知識はないけれど、この季節らしくメインディッシュにイノシシの肉が出されたのは印象的だった。三種類の違う部位をそれぞれに合った調理法で。こういうメニューはヨーロッパらしい。むちゃくちゃにおいしくはなくとも楽しめる。
23時ごろまでゆっく過ごし、おちついた静かな部屋に戻ると、マーストリヒトやフォルケンブルグの町をまわった今日一日を思い出しながら、静かな森の中で眠りについたのだった。
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本日はベルギーのフランス語圏ワロン地方を走った。「世界一小さな町」とよばれるデルビュイを見学し昼食。13世紀から城が建てられていたMODAVE城を訪問。17時前に首都ブリュッセル、グラン・プラスから徒歩すぐロイヤル・ウィンザーホテルに泊まった。
グラン・プラスのクリスマス・イルミネーションは、今までみたどこのものよりもすごい! 15分ごとに繰り広げられる音と光のショーはラスベガスのホテルでやっているものを思い出させる。寒くても、何度もみたくなります。必見。来年も見たいなぁー。